Jazz in 南レク 2005 レポート (2006/2/1) Page3/5

 さて走ること2時間、この半島を過ぎれば城辺という所で一休み。高台の海が 180°見える洒落た喫茶店。窓からは沖に三つの小島が見える。海の向こうは九州だ。店には Bill Evans のピアノトリオが流れているではないか。不思議な世界。ここから坂田君が運転手になって坂を下りながら町に入る。無事城辺グランドホテルへチェックイン。町唯一のホテルとの事、部屋の中にはエアコンがあるんだけれど階段の所が暑いのなんの、50度位。本当に。夕食まで時間があるので半ズボンに着替えて一人で散歩へ。ホテルの前に小川があってその向こうに古い江戸時代みたいな建物。後で聞いた所、昔からの造り酒屋との事。その川沿いに歩いて行く。町は夕方、人家が有るんだけれど人がいなくて静か。川にはほとんど水がなくて所々が水たまりになっている。雨が降らなくて水不足なんだね。ある所に来ると水たまりに逃げ場を失ったナマズみたいな魚とか小魚が沢山泳いでいる場所があって、自転車に乗って来たどこかのおじさんと一緒に可哀想だねなんて立ち止まって長いこと見ていました。だんだん暗くなって食事の時間もせまって来たのでホテルに帰る。飲み屋さんの座敷で会食。又宴会だ。地元でとれたカツオ、小魚、野菜とか美味。話が弾む。坂田君は呉の生まれ。例のミジンコの話になって興味津々。旅に出て田んぼなんかがあるとついつい離さず持っている携帯用の顕微鏡を出して調べてしまうんだって。僕の前に座ったバカボンさんは去年始めて一緒に仕事したんだけれど、彼の事は何も知らなかった。真言大学まで行ってお坊さんを目指していたんだって。人間は一人一人深い。ホテルに帰るともう12時近くになっていた。TVを見ると今日は九ちゃんの乗っていた日航機が墜落した20年目のアニバーサリィーだった。

 13日。まだ時差ボケなので8時にパッチリ目が覚める。シャワーに入ったりのんびりして外に出たのが10時過ぎ。ホテルの下にラーメン屋さんがあったので早速ラーメンで朝食。実は昨日地元のスタッフの方から情報を得ていて今日は海に行くことに決めていたんです。海までは結構遠いのでタクシーを呼んでもらう。来てくれたタクシーの運ちゃんが又親切な人で走りながら観光案内してくれるんです。戦争中に墜落した戦闘機紫電改を海から引き上げて完全に修理して展示してあるとか、僕もそういうのが好きなんですけど、僕の目指す所は宇和海海中公園。水中展望船ガイヤナっていうのに乗るのが目的なのであります。船の底がガラス張りになっているやつ。目的地の海岸に到着。そこでチケットを買って30分おき位に出ている連絡船に乗って沖にある鹿島に渡るんです。船が来るまでコンクリートの桟橋に立っていると潮のにおいと荒っぽい潮風と波、海は男らしくてスケールが大きくて太平洋に直面している様なダイナミックな力を感じてすっかり感激。僕のヒーロー坂本竜馬のこと等連想して一人で良い気分になっていました。鹿島に渡ってガイヤナに乗りましたよ。あいにく曇り空だったのですが時々太陽が顔を出すと海底の景色が一変してカラーフルになる。ガイドのおじさんがあそこに泳いでいるのがしま鯛とかいろいろ教えてくれるんです。はこフグが半分寝ながら泳いでるみたいでカワイいこと。さあ帰りなのですがタクシーの運ちゃんから隣り町に行けば電話があるからとかバスもあるとか聞いていたので何とかなるだろうと非常に楽観していました。3時からサウンドチェックなので2時半にはホテルに帰っていなくてはとか少し現実の世界のことも考えるのですが道を歩いていても人っ子一人居ないし、隣り町らしき所に着いても公衆電話なんか全くなし。もうダメかとあきらめていたらなんと「城辺」と書いてあるバスが走って来たんです。乗客は僕とおばちゃんの二人。喉が渇いていたので運転手さんにちょっと待ってもらって自動販売機で買って来た冷たい「午後の紅茶」を飲みながら城辺へ。あ〜なんてラッキーなんだろう。
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