増尾好秋から 心不全で1月12日に急逝した本田竹広氏へ 2006年1月15日 Page1/1
本田竹広殿
逝ってしまったんだね。無念。 昨夜は泣いたよ、久しぶりに。
残念な事も沢山あるけれど今は君の事を考えるととても温かい気持ちになれるよ。
この数年何度か一緒に音楽出来て良かった。僕がピットインで珠也のバンドで出演していた時、君が途中から飛び入りで参加したね。今でもよく覚えているんだけれどすごかったな。台風が飛び込んで来たみたいだったよ。音楽が途端に一変。そんな野生の怪物みたいな君は僕には昔から不思議な存在だったよ。同じ人間なのかしら、どこからそんなエネルギーが出てくるのかと思っていたよ。でもその裏にとてもデリケートなところもあったんだよね。
僕が今座っている部屋の壁には額にはまった一枚の写真が飾ってあるんだ。それは僕がまだ日本にいた1970年頃の写真で大きく新聞全面に乗ったインスタントコーヒーの宣伝です(※見開き全面)。左からチンさん、本田、僕、サダオさん、今井さん、プーさん、フミオちゃんと並んで、コーヒーカップを片手にピアノの前に立っている写真だよ。みんな髪が長くて特に本田と僕は肩まで垂れてる。君なんかは髪を頭のてっぺんで結わえているのでまるでチョンマゲだね。みんな若くて傑作なんだ。よく見ると一人一人ユニークでキャラクターがあってまるで七人の侍だ。懐かしい六本木のソニースタジオだよ。
来月2月に Jirokichi の仕事のためだけで日本に行くんだけれど
その理由の一つは Jirokichi のオーナーマコさんと、 Jirokichi
にまつわるミュージシャン達の友情を感じるからなんだ。 Jirokichi
から声がかかると何が何でも行くって気になってしまうよ。僕が一時期人前で演奏する事に尻込みしている時に、何気なく後ろから後押してくれて何回も演奏する機会を作ってくれたりね、僕は一緒にいるだけでつつまれていたよ。本当にすばらしい仲間に囲まれていて幸せ者だ。最近も僕が日本に行くと必ず僕たち
Jirokichi でセッションしていたよね。 Jirokichi
とその音楽仲間は、僕にはとってもとっても大切な宝物なんだ。そんな訳で僕の中では
Jirokichi と君がダブっている部分があって君の事を考えると Jirokichi
を思い、Jirokichi の事を考えると君を思う事があるんだ。
この2月の Jirokichi は弔い Live
だね。もう君のそのガラガラ声が聞けないのかと思うと寂しいけれど、君の事を考えると何か楽しくなって勇気が出るよ。君と君の音楽を愛していた人々や仲間の心にはきっと
君のスピリットがいつまでも生き続けて行くよ。楽しい思い出が沢山有るし
峰さん、岡田君、ヒロシみんな元気だし、僕たちこれからも、もっともっといっぱい音楽やって行くからね。君を見習って僕達も最後までやりたい放題やって自由にどこまでも飛んで行くから。
本田君、暫しの別れ。 又な。
増尾好秋
→額に飾った広告の写真(かなり大きい)640x480
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