A Day In The Life with Phil Woods (2007/3/22) Page5/5

 New York に到着。まずスタジオに彼を送り込んでから平日なので路に車を停められないのでアパートのガレージに車を止めに行く。走ってスタジオへ。今日やるのは3曲。Bill Mays Trio のやった 「This Boy」, Benny Green Trio の 「Here, There and Everywhere」 それに Gil Goldstein Trio (Will Lee, Steve Gadd) の 「Come Together」 です。どの曲も2テイク位ずつ、チョチョイのパーっていう感じであっという間に 終わってしまいました。演奏は全くよれていないしあの音がしているんです。彼が吹き始めると思わずみんなで顔を見合わせて微笑んでしまいました。本人は I'm like a bat. Can't fly in the morning.(僕はコオモリみたいなんだ、朝は飛べないんだよ)なんてジョークを飛ばしつつ、こちらの注文も快く聞いてくれるし、余裕なんです。
 レコーディングも終わったので又走ってアパートに戻り車をピックアップ。スタジオにもどり Phil を乗せて New York から脱出。ラッシュアワーになる前にマンハッタンから出るのが肝心なんです。又帰りも話しっ放し。彼はもう歯が一本もないんです。入れ歯なんですね。僕が Sonny Rollins もそうなんだよと言ったら、何と Phil の歯医者さんを Sonny にも紹介してあげたんですって。その歯医者さんは自分でも楽器を吹くのでよく解っているんだとの事。
話に夢中になって気がつくともう New Jersey から Pennsylvania に入る州境。料金所を通るともうそこが Delaware Water Gap の出口なんです。小さな町を彼の家に向かって走るとその店の所で停めてと言うので車を止めて店の中に入る。行きつけの店なんですね。この店のアップルパイがペンシルバニアで一番なんだって。僕にも一個買ってくれたんですよ。 無事家まで送り届けて一安心。やっぱり責任大なので緊張してました。家の中に招待してくれて壁に飾ってある昔の写真を説明してくれたり(自分の若いときの写真、Charlie Parker, Quincy Jones、Duke Ellington 等々)自分の書斎、ミュージック Room を見せてくれたり、自分の世界をそのまま腕を広げて僕に見せてくれたんです。帰りには彼自身の DVD、CD とかも沢山もらってしまいました。

 帰り道一人になって気がつきました。すっかり少年になって気持が純粋になっているんです。尊敬してしまう....彼からそんなオーラが出ていたんですね。感化されてしまいました。音楽に対する情熱でいっ ぱいになっているんです。そんな時って本当に幸せですね。 いつまでもそんな風に素直に感動出来る自分でありたいなぁ〜と思っています。

 彼の様な人間と過ごせた一日  A Day In The Life  すばらしい 感動の一日でした。

MASUO

    →先頭 page 1/5へ戻る

From増尾〈目次〉へ
ケータイ版Homeへ