NYの増尾好秋から
A Day In The Life with Phil Woods (2007/3/22) Page4/5

 彼もペンシルバニアの住人なんです。僕の所 Milford から? Delaware River 沿いに 209 を南下する事一時間、そこにある町? Delaware Water Gap に古くからあるホテルを改造して作った Jazz Live House - Deer Head Inn という店があるのですが Phil の家はその店の先をチョット入った所。

 録音の当日3月6日(余談ですが Wes Montgomery の誕生日)朝10時彼の家にお迎えに行きました。New York への送り迎え僕が自分でやるって前もって約束していたんです。その日の朝は ー20 度でこの冬一番の寒さでしたが空気が澄み渡り大晴天で目が覚める様な青空。Phil の家に向かってドライブしながら気持はワクワク。
 彼の家に到着。変なアクセントの日本語でオハヨウゴザイマスなんて挨拶しながら出現。さっそく New York へ出発。2時間弱のドライブです。まずはやってもらう曲のトラックを聞きながら譜面を説明。実は前日に音源と譜面を彼に届けようと思って電話したのですが “僕はジュリアードにも行ったんだし譜面読めるんだからそんなのいらないよっ.....” 頑固親父なんです。 とにかく New York に着くまで二人で話しっぱなし。Gary Mcfarland のバンドにサダオさんが日本に帰って抜けた後に Phil が後釜で入ったとか、Gary のバンドで Beatles の曲を沢山やったとか、Gary は Jazzman としては Beatles の音楽を認めたはじめての人だとか、Charlie Mariano はボストン出身で自分はマサチューセット州スプリングフィールドの出身だから地元バンド Ray Borden Band の78回転レコードの Charlie Mariano を feature した What's New をよく聞いたとか、話は遂に Charlie Parker に及び Lennie Tristano の所にレッスンに行った帰り Charlie Parker を聞きに行って楽屋に会いに行ったら子供なのに親切にしてくれてチェリーパイを一緒に食べたとか、歴史を生きて来た本人からそんな話を聞きながらすっかり興奮していました。彼は75歳。5年前に前立腺ガンの手術をしたとか、喘息があるので寝る時と仕事の前には酸素ポンプを用意してもらうとか、身体はかなりボロボロなんです。だから普通に話している時も呼吸がゼーゼー。5年前には sax が吹けなくなってしまってもうやめようと思ったそうですがそんな時に友達に勧められて Yamaha の alt sax を吹いてみたら吹けたんですね。Yamaha の楽器のおかげで自分の演奏寿命が延びたんだよと感謝していました。日本が好きで日本の食べ物の話でも花が咲きました。とにかく陽気で前向きでポジティブで積極的な人、一緒にいると身体の具合が悪いなんて少しも感じさせないし、逆にこちらがエネルギーをもらってしまう様な人なんですね。
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