増尾好秋からのメッセージ (2011/6/13)

6月13日
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6月13日は40年前1971年に僕がアメリカに来たアニバーサリーの日なんです。直居君と二人でニューヨークに6ヶ月滞在するという事だけを決めて出発した旅でした。6ヶ月が過ぎて直居君はクリスマス前に日本に帰り僕はもう少し居残る事にしたのですがそのまま住む事に なってしまった訳です。 実は今日はソニーから送られて来た僕の復刻アルバム24の修正盤のCDを久しぶりに聞いていました。音とびの事がこのホームページでも話題になっていましたね。それに気がついて新たに修正盤を制作してくれたんです。今回は念には念を入れるという意味で僕にチェックしてもらってから再プレスする様に決定したんだと思います。ありがたい事です。

久しぶりに聞いた24は懐かしかった。トコちゃんのドラムを叩いている姿が眼に浮かぶよ。市川さんのフェンダーローズ、チンさんのCorvallis のソロ、ワォ〜だね。サダオさんのフルートって本当に良い 音してるね。心に響くよ。ツノヒロのドラムもいいね。
あんな昔の自分の音を聞くと不思議な気持になるよ。内容の良い悪いは別にして今聞いても模索しながらの演奏がすごくクリエイティブでフレッシュで好きだな。40年前のひたむきに演奏した純粋な音が作品になって残っているなんて幸せです。

40年という時間を考えると気が遠くなる程のいろんな事が有って、ここまで来た自分の事、本当に思うよ、奇跡だね。でもつくづく周りの人に助けられて生きている事を最近は実感します。皆さんありがとう。感謝、感謝です。
そんな気持が今僕の音楽をやって行くエネルギーやインスピレイションになっているので、その気持を音に詰め込んで発信するミュージシャ ン、それが今の僕ですね。

発信といえば One Word のレコーディングプロジェクトは着々と進んでいます。5月19日のNYのAvatar Studio でのレコーディングは沢山の友人達が集まったパーティーみたいなリラックスした雰囲気の中素晴らしい一日だった。
レコーディングの日が決まってから中一日しかなかったのですぐにみんなに通知したのですが誰が来れるのかその日の朝になってもあまり分らなかったのでどうなるかと思っていたのですが結果は大成功でした。
この日レコーディングに参加してくれたのは合計18人、アメリカのミュージシャンと日本人ミュージシャンのバランスも良かった。日本人 と言えばその日偶然にも Avatar Studio の他の部屋で自分のプロジェクトのミキシングをやっていた小曽根真君が顔を出してくれて結局はレコーディングにも参加してくれたんです。嬉しかったなあ。 このプロジェクトはミュージシャンを始め関係者が全員何と表現したらいいんだろう、純粋で美しくて温かい気持で参加してくれて感動の連続です。地球の反対側ですが日本をなんとか助けたいと言う人々の気持は同じですよ。そういう気持を持っているミュージシャン達に表現出来る場を作ったこのプロジェクトはそれだけでも価値があると思います。

感動と言えば最後にもう1つ。ロスアンゼルスに住むケイ赤城がこのプロジェクトの事を知って是非参加したいと言って来てくれたんです。彼は家族が仙台なので今回の震災には特別な思いがあるんですね。義援のためのコンサートももうやったそうです。
16小節をプレイするために大陸を横断して来る。そうなんです、みんな16小節ずつソロする様になってるんですよ。Judy も一緒に来るので Two Lips にも参加してもらいます。嬉しいですね。 もうすぐですよ、出来上がり期待して下さい。

MASUO

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