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From MASUO

(▼ "From Masuo" 第1弾として、新作のレコーディング・レポートです。例によって、ニューヨークはソーホーにあるご自身のレコーディング・スタジオ The Studio を使用しての録音。新作は、ミュージシャン復帰宣言をした好評の前作 『Are You Happy Now』 と同じく、増尾好秋(g)、ラリー・ゴールディングス(org)、レニー・ホワイト(ds) というメンバーです。)

Recording Report (2000/5/28)

お元気ですか?
Home Page のはげましメールもありがとう。 (*掲示板 #0288, #0290参照)
レコーディング始めましたよ。
一番最初の段階が無事終わり一息入れているところです。
今日は1週間位ぶりにレコーディングしたテープを聞いて いました。I enjoyed listening to it .
早くみんなにも聞かせたいけれど今回のやつにはもっといろんなアイデアを詰め込みたいんでもうちょっと待ってて下さいね。

どんなに前もって用意していても、レコーディングの時にはいつも思ってもいなかったハプニングがあります。
特に僕の場合自分のスタジオでやるので100%コントロールできる代わりにすべての責任は自分で take care しなければならないので、いつも自分の時になると何かと結構大変なんです。
今回もいろいろありました。
前日に Larry (Goldings) が来てオルガンをチェックすると低音にレコーディングには使えない変なノイズがあって Leslie のスピーカーキャビネットに問題があるようなので急拠レンタル。
Larry はこの自分のオルガンを去年の9月から僕の所におきっぱなしだったのに、やっと出番が来るとこうだからね。
後でわかったのですが真空管が一個壊れていました。
次に僕のギターアンプ、フェンダーのツィン リヴァーブもなおしたばかりなのに突然音が出なくなってしまって結局いつものブギーアンプを使いました。
ついでに話題が真空管のトラブルなのでもう一件。
マイクロフォンのノイマン U-47が調子が悪かったので修理に出したのですがこれも真空管に問題があり取り替えたオリジナル真空管が一本$1100。
こういった古い昔のマイク (U-47 は歌手のレコードカバー、フランクシナトラ、ダイナワシントン、ヘレン メリルなんかの写真によく写っています) は音が温かくて、デジタルになった最近の器材にはない独特の味があるんだよ。もうずっと前に生産中止なのでほしいと思ってもなかなか手に入りらないものなんだ。だから楽器と同じようにこういうものも大切にしています。

いろいろと細かいトラブルがありましたがこれでも前のレコーディングの時とくらべたらずいぶん楽になったよ。僕自身ギターを弾くことが楽になったからだと思う。
今度のアルバムは前もって全体のコンセプトを頭に描きました。前のアルバムの様なオープン フリー プレイングのものときっちりアレンジしたものが半々。
Larry、Lenny (White) 二人は相変わらずエキサイティングですばらしい演奏をしてくれました。特に Larry には脱帽。僕のほしいところを実に良く理解してくれて僕のアイデアを良い具合にふくらませてくれる。彼は最近初めての赤ちゃんが生まれたばかり、写真を見せてくれる彼の顔はすっかりお父さんになって幸せそう。奥さんが中国人なのでベイビーはオリエンタルの顔をしています。これからマイク ブレッカーのバンドで5週間のヨーロッパ演奏旅行に出かけるとの事。

とにかく100% MASUOがつまった音楽、期待して下さい。

こちらアメリカはメモリアルデーウィークエンドです。
戦争で亡くなった人々のことを思う日。
ぼくたちの世代は本当に幸せだね。
そんなことを考えていました。

MASUO

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